あとがき

思えば長く書いたものだ。

これは自分が中学生時代にマザー２をプレイした時から印象に残っているフレーズで、時折使ってしまうわけです。ブログとかでもたまにこういう書き出しがありますからね。

さて、書き出しの通り、思えば長く書いたものだ。

そもそも、エインセルサーガ、とは何なのだと思われている方（編注:１）に一応説明をば。

この作品の世界観は、元来自分の高校時代からの友人であり、アッシ等いつか創作で生活できるようになるっちゃ！　と秋の夜に星を眺めながら誓い（編注:２）合った白武士道の世界なわけです（編注:３）。

エインセルサーガとは白武の趣味（編注:４）を科学的に解釈し、それをファンタジー世界に落とし込もうという意欲的な世界なわけです。それはある種とても情熱的であり、ストライプのパンツを幻想世界で実装するためにはという部分から始まり（編注:５）、この世界の魔法の原理やらまで幅広いものです。

そんな素敵な世界を題材にした物語大系こそが、エインセルサーガというものなのですが、何故その世界で自分がこうして執筆したのかといえば、それは二○一○年の二月まで遡ります。

その頃のアッシは、もりもりと電撃文庫への投稿用の作品（編注:６）を書いておるところでした。そこで彼はアッシ部屋におもむろにやってきて一言。

「兄さん（編注:７）、サーガ書かないですか？」

「まあ、ええですよ（即答）」

という流れがありまして。アッシが書くことになったわけです。昔は短編しか書けへんねんと言っていたのですが、最近になってようやく一年に三本（編注:８）程投稿規程を満たすページ数の作品を挙げられるようになりました（編注:９）。

そんなわけで、電撃用の作品を完筆させたアッシは、四月十日からサーガを書き始めることになったのでした。

というわけで走り始めたエインセルサーガ。無論、依頼の際のやり取りはこのようにスマートではなく、様々なことを話し合ったわけです。

というのもこの作品、いずれ彼が紡ぐ物語の言わばスピンオフ（編注:１０）。

彼との会話を端的に言ってしまえば、三人の主人公が居て、その中で一番美味しい二人を自分が書くので、残り一人の主人公の過去を書いてほしいというものでした。

まあ、昔こそ意外と横の繋がりがあったりしたのですが（編注:１１）最近はそういうのがさっぱり無かったので（編注:１２）良い機会だと思い、それを快諾したわけです。

さて。スピンオフということは、その主人公、この場合でいうフランは予知調和な未来を歩まなければなりません。今回は過去編なのでむろん、そこで死んでしまってはいけませんし、設定を大幅に変えるわけにもいきません。

最初に決まっていたのは物語の起承転結、主人公達の名前も含む設定。

あれ？　これって俺が決める部分無くね？

まあ、その通り。概ね決まっていたので、アッシがすることといえば、白武が考えた話を、そのまま書くことだったのです。

でも、それってどうなのよと、色々と改変を加えることにしましたそれこそ半ば無理やり。

その中でも一番大きいのは、マルガリータの存在でしょう。

彼女は最初一応白武から登場を予定されていたのですが、別にいらなくね？　ということになり、半ば没キャラになりかけていたところを、アッシがそれを止めました。

「それだと、女性キャラがフランだけで萌えがないでしょうが〜〜！！！（編注:１３）」

というアッシの迸るパトスのおかげで、なんとかリッタの存在は認められたのでした、よかったよかった。

さて、何故リッタが没を食らいそうになったのかといえば、話は至極簡単なわけで。

この物語、白武的に一二○ページで終わらせてと依頼してきたからです。

――いや、無理だろ（編注:１４）。

国一つをスピンオフの為にキャラの説明をしながら投稿サイズで纏めるなんて無理だから！

まあ、そんなわけで書いていったら軽くその目論見を超え、二○○ページオーバーとなったわけです。それもこれも全て、リッタへの愛が故！

さて、そんなわけでそもそも登場しなくていいはずだったリッタ（編注:１５）ですが、折角無理を言って登場したのですから、それこそすごく重要なキャラになって欲しいというのが親心。そんなわけで色々な画策をして、結局あの形に落ち着きました。これでリッタはいらない子扱いされないでしょう。

そもそも白武に渡された起承転結では、エヴィンカーを倒すところまででしたので、その後のページは全てアッシが考えたもの（編注:１６）。

まあ、大まかな流れしか渡されていないので、様々なシーンを自分で考え、そこに向かって書いていったわけですが。

さて、ちなみにこの作品ですが、本当に面白さが分かるのは今のところ白武とアッシのみ。というのもこの作品はスピンオフであるのはもちろんですが、白武のエインセルサーガ大系上の歴史が更にくだらないと分からない伏線が盛り込まれているからです。

むろん、それは彼が自分に依頼してきたことではなく、自分なりの彼への挑戦とでも言いましょうか。結果的に彼は面白いと感じてくれたので成功といえるでしょう。自身もよく出来ていると自賛してしまうくらいですから。

さて、それではページがなくなりましたのでこの辺で。次の作品も是非お願いします。

更級 楓

（編注:１）そんな方はこれを読んでいないでしょうが。

（編注:２）その恥ずかしすぎて赤面してしまう場面に立ち会ったのは、今は無き旧サイトで共に切磋琢磨していた犬茶漬けも居た。今は特に創作してないらしく、その誓いからは脱退した模様。

（編注:３）誓いの内容には続きがあるが、これは最後の砦。これを公開するとアッシのＳＡＮ値がマッハなので秘密。

（編注:４）大剣を持った少女とか。パンツとか。女性の体型とか。彼は基本的にむ――ん？何か後ろに――（鈍い音）

（編注:５）下手に知識があるが故、素人にはそれっぽく聞えるので性質が悪い。付き合いが長いとプロテクション:勢い　を得られるのでなんとか行ける。十対零くらいで。あれ？

（編注:６）白鳥座の奴隷のこと。ちなみに、親友のakiさんが書き下ろした夏木さんが可愛すぎる。異論は認めない。

（編注:７）高校時代から彼は決まってアッシのことをそう呼ぶ。彼は兄が欲しかったらしい。

（編注:８）二○一○年九月現在、まだ三本目は執筆していないので予定の話。無論、予定は未定良くある話よね、と冬の女王は言っている。

（編注:９）昔は結構ひいこら言って紅蒼曲とかを書いたはずなのに、真面目に筆が早くなりました。丁寧ではないですが、数を撃つスタンスになってきたんでしょうね。凛のように。

（編注:１０）結構前に酷く流行っていましたが、ようやく熱が冷めてきましたね。それに乗じたわけではないですが。

（編注:１１）黒崎とか。黒崎とか。黒崎（ｒｙ――

（編注:１２）ちなみに、今でもこっそり行われており芥骨の唄でも登場する。どうも白武の処女作の印象が強かった様子。

（編注:１３）大事なもの。成り立ちには様々な説があるが、個人的には天才テ○ビの方だと思っている根拠は無いが。つうか、真面目に萌えについて勉強しないと駄目ですね。今後やってく上においても。別に嫌いではないですし。いや、むしろ愛している。

（編注:１４）まったくだ。

（編注:１５）ロリっ子は大事だと思います。なので、没になりかけたのを必死に止めました。もちつけアッシ！　ちなみに、この物語、最初はアッシが結構自由に書いて良いという約束だったので、リッタは自分が好きな儚げなお姉さんキャラになる予定でした。無論それはロリ好きな士道に必死に止められました。もちつけ士道！

（編注:１６）白武に決められていた部分はキャラの設定。

あとは――

ジークに出会う。母親殺される。フラン決起。クラウスと合流。オプティマールグロースと出会う。作戦実行。シュバルツ倒す。国とったどー！

というもの。もう少し詳しく打ち合わせをしていましたが大体このようなものでした。